NAKANO☆DESIGN

サンルームとアトリエのある終の住処

 新潟県上越市に建つ、雪国の終の住処です。木構造の大屋根の下に、70代のご夫婦の居場所と娘さんの仕事場が計画されています。ご夫婦の居場所を見守るように、娘さんの居場所を配置しました。サンルームが、二つの領域の緩衝帯になると同時に、家の隅々まで日光を導きます。雪国の冬場を快適に過ごせる空間を目指しました。

屋根=斜めの床

 歳をとっても安全に雪降ろし出来る屋根を目指しました。ハシゴで下屋に登れば、そこからは斜面を上まで登ることができます。屋根を斜めの床として捉え、ネダレス床と同じ構造で組み立てています。登る事を前提に計画された小山のような屋根は、背後の山の姿と呼応し景観に柔らかく溶け込んでいます。

構造・空間・環境システムが一体となった家

 大屋根が家族の居場所を一つにまとめ、屋根の勾配に沿って視線や気配がつながります。夏場は室内の暖気がサンルーム上部より排出され、冬場は、天井の高いサンルームが室内に日光を導き、洗濯物が適度な湿度を与えます。構造材であり、仕上げ材でもあり、調湿効果もある木の特性が活かされた空間は、大樹に包まれたような優しい温もりのある住処となりました。

【インテリアプランニングアワード2012入賞】

協同設計:黒川哲志

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